先進的なIT製品を発掘して、お客様とベンダーと価値を共創する
SIerがIT商社の役割を持つことで、お客様にどんな価値が生まれるのか
SIerがIT商社の役割を持つことで、お客様にどんな価値が生まれるのか
サーバーやネットワーク、セキュリティーからAIやIoT関連まで、海外や国内の先進的なIT製品を発掘し、ユーザー企業に届ける。そんなIT商社としての機能を持つSCSKのプラットフォームソリューション事業部門。そのビジネスを支援するメンバーに、「IT商社の役割を持つ強み」や「お客様にどんな価値が生まれるのか」などを聞いた。

国内外から魅力的なIT製品を探して育てる

──IT商社としての役割とは、どのような事業内容でしょうか。

大塩 海外や国内のベンダーの魅力的なIT製品を探し出し、主に国内企業に向けて提供しています。取り扱う製品の半数以上は外資系企業の製品です。サーバー・ストレージ、ミドルウェア、CAD、解析・CAE、セキュリティー、ネットワークなど、大きく6つのカテゴリの製品を扱っています。ただ単に仕入れて販売するのではなく、お客様に安心してご利用いただけるように、お客様視点でのサポートサービスを提供したり、カスタマイズを行ったりしているところが特長です。我々が直接お客様にご提案することもありますし、パートナーの代理店様経由でご提供することもあります。

──最先端の製品情報は、どのように入手しているのですか。

夏目 海外製品に関しては、世界中から情報を収集するように心がけています。例えば、アメリカについてはSCSKの現地法人があるので、シリコンバレーやボストンなどの駐在員から情報が寄せられます。その他の国についても、様々なパスを利用しながら各企業とコンタクトし、セキュリティーやAIなど最先端のソリューションについて情報収集を行っています。

また、海外のスタートアップや大手企業は展示会に出展し、新しいコンセプトの製品を発表することも多いので、そこにも足を運びます。ただ、展示会には競合他社も訪れるので、どうしても競争が激しくなる。そのため、住友商事のネットワークを介して、他社に先駆けてコンタクトを取ることもあります。
こうした海外現地法人や住友商事グループなどのグローバルネットワークが充実しているため、海外スタートアップの製品の取り扱いも増えているのです。

SCSK プラットフォームソリューション事業部門
事業推進グループ 営業推進部 第二課長 夏目 祐輔

お客様とベンダーの共創関係を築きたい

──ビジネスとして、重視していることは何でしょう。

夏目 最も重視しているのはお客様の声です。実際、お客様が課題に感じていることや、実現したいことを直接うかがい、取り扱い製品を決めることもしばしばです。しかし、お客様のニーズや課題が潜在的な場合もあります。顕在化している場合には、ニーズを満たす製品を探し、きちんとその魅力を伝えます。一方、顕在化していないニーズに対しては、「こんなに優れたソリューションがある」と気付いていただくことも我々の重要な使命だと思っています。

これまで市場になかった新たなコンセプトの製品の場合、導入するお客様にも不安があります。こうした場合、お客様との信頼関係が極めて重要です。過去に提案した製品が期待通りの性能を発揮している実績や、製品導入後のしっかりとしたフォローも信頼関係の構築につながります。お客様との関係性を築きつつ、魅力的な製品を提案することは、我々が製品ベンダーとお客様の間に立つ意義のひとつなのです。

大塩 日本のお客様の声を聞いて、日本企業に合う提供方法をベンダー企業と交渉したり、独自サービスを考案したりすることも必要となります。製品の特徴や用途によって日本市場で受け入れられやすいビジネスモデルを設計するのも我々の重要な役割です。

夏目 たとえば、クラウド黎明期にあるロードバランサー製品の販売において、世界に先駆けて従量課金制を弊社が導入しました。この取り組みはベンダーにも評価され、現在は他の国でも従量課金制を導入したそうです。このように、お客様のニーズを先読みして、彼らが求める課金モデルを構築できれば、お客様とベンダー双方にとってプラスの関係を構築できるのです。

大塩 基幹システムなどで使われる大型のストレージやサーバーなどのハードウェア、解析用のソフトウェアなどは、以前は売り切りで提供することがほとんどでした。しかし最近は月額課金や利用量に応じた課金を求める声も増えており、当社のオリジナルメニューとしてクラウドサービスで提供したり、料金体系を複数用意したりしている製品もあります。

吉田 ネットワークやセキュリティーといったひとつのソリューションではなく、ジャンル横断的に製品を提案できるのもSCSKの強みです。例えば、ネットワークの新しい製品を提案する際、ネットワークを構築するだけでなく、関連するソリューションも併せて提案することで様々なニーズに応えられるのです。

SCSK プラットフォームソリューション事業部門
事業推進グループ 営業推進部 第一課 吉田 由佳梨

お客様の声を聞き、ニーズを掘り起こし、新しい市場をつくる

──新しい製品を取り扱う場合、技術的な検証はどの程度行っているのですか。

夏目 技術検証はとても重要です。弊社は製品ごとに営業担当と技術担当がおり、製品を取り扱う前に検証作業を行います。すでに海外などで一定数のユーザー数を獲得している製品であれば、「日本市場で受け入れられるためにはどうしたらいいか」という点に特化して検証します。一方、まだ市場にない最先端の製品や、ユーザー数がまだ少ない製品の場合、バグが多いこともあります。機能の確認やシステムとの相性を検証した後、初期のバグを見つけ、ベンダーにフィードバックして製品の品質を高めています。場合によっては、パイロットユーザーと共同で、初期のバグを潰したり、必要な機能を追加するなど、お客様と一緒に製品を育てていくこともあるのです。

──販売後のサポートも重要になると思いますが……。

夏目 どの程度サポートが必要かは、製品によってかなり変わってきます。サポートを厚くすればするほど、お客様のコスト負担も大きくなる。そのため、製品の用途、障害発生時のリスク、緊急性などを踏まえて、適切かつ柔軟なサポートを提供することが重要になるのです。

大塩 以前であれば、電話やメールのサポートが主流でしたが、現在は専用のウェブサイトでのサポートも提供しています。サポートサイトにはFAQや過去の問い合わせ履歴が蓄積されているため、お客様は24時間いつでも必要な時にサポート情報を確認いただけます。こうしたサポートも組み合わせながら提案することで、お客様が安心して導入できる環境を構築するのです。このように、一律のサポートを提供するのではなく、お客様とのコミュニケーションから、既存のサービスを改善したり、新しいサポートメニューを作ったりなど、より良い支援ができるよう努めています。

SCSK プラットフォームソリューション事業部門
事業推進グループ 営業推進部 第一課長 大塩 暁子

お客様視点とベンダー視点、双方を持つ強み

──今後、どのような分野に注力していこうと考えていますか。

吉田 直近の取り組みとしては、主に製造業に向けた「AI、IoT、PLM(Product Lifecycle Management)」関連の製品に注力しています。例えば昨年、住友商事のベンチャーキャピタルが出資している米国のFalkonry社製品の取り扱いをスタートしました。産業機械の温度や振動などの時系列データを分析・学習し、機械の故障予兆を検知するAIソリューションです。産業機械の予防保全や製品の良品不良品判定などが、データサイエンティストを介さず現場のエンジニアのみで可能になるのです。国内唯一の代理店として、この製品の日本での拡販をSCSKが担っています。

大塩 PLMは、製造業が自社製品の企画段階から、開発、設計、生産、販売、保守に至る一連の製品ライフサイクルにおける情報を一元管理する仕組みです。現在、こうした情報は、1つひとつのステップごとに個別管理を行っているケースも珍しくありません。しかし今後、これらの情報を連携することで、収益増大、コスト削減、開発から販売に至るまでの時間短縮といった効果が期待されています。

──AI、IoT、PLM分野における今後の事業展開を聞かせてください。

夏目 製造業向けのソリューションは、実際に工場などで使っていただきながら性能や導入効果を検証していく必要があります。現在は、ユーザー企業の協力の下、工場の製造設備のデータを取り、不具合や故障予知の効果などを検証しています。その結果を踏まえ、製造業に強いパートナー企業などにヒアリングしながら、価格帯や課金方法などを決めていきたいと考えています。

大塩 「IoT、AI、PLM」は、我々の新たな事業の柱という位置付けです。IoTやAIは多くの業界で活用が進んでおり、ラインナップの強化に注力しています。

──最後に、SIerがIT商社の役割を持つことの強みを教えてください。

夏目 お客様から弊社に対する要望として特に大きいのは、製品のクオリティを担保することです。製品を右から左に流すのではなく、ニーズを踏まえ、お客様の立場に立ってサポートする点が評価されているのだと思います。

吉田 ベンダーが開発した製品をそのまま日本市場に持ってくるだけでなく、安心して使っていただくための仕組みづくりを担っているのです。ベンダーとお客様、双方の視点で我々が関わることで、社会に新たな価値を提供するIT製品が普及する。それが、お客様だけでなく、ベンダーにも評価されているのでしょう。

大塩 お客様だけでなく、ベンダー側の視点を理解していることも大きな特長で、双方にとってプラスになるように製品やサービスを提供しています。だからこそ、より多くの価値の高い製品を扱うことができるのではないでしょうか。SIerとしてのお客様との密な関係性と、 IT商社の機能がバランスよく連携していること、それがSCSKの強みだと思っています。

SCSK IT Platform Navigator

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