業務効率化のカギは、Excel作業の「業務アプリ」化
無料ですぐ使えるExcelテンプレートを活用して「ノーコード開発・ローコード開発」
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働き方改革、そして新型コロナウイルスの感染拡大に伴い加速するテレワークなどの影響により、多くの企業では業務プロセスの見直しや業務の効率化が強く求められている。こうしたなか、あまりIT化が進んでいないデスクワークを効率化できれば、労働生産性の向上につながるだろう。特に、デスクワークの定型業務のに多く活用されているExcelによる作業を業務アプリ化すれば、業務効率を大きく改善できる可能性が高い。そして、そのハードルはそれほど高くはないようだ。

働き方改革と業務効率化のカギは

働き方改革を推進する上では、業務の効率化が大きな課題となる。多くの企業では、労働時間を短縮するために、さまざまなIT活用が行われてきた。しかしこれまでのIT投資は、会計、人事給与、販売管理、生産管理といった基幹システムや、インフラ基盤の整備が中心である。

反面、業務の各現場では、集計・報告業務や各種申請、台帳管理などにおいて、標準化されていない作業や独自のExcelによる管理など、非効率な業務も多く残っている。こうした現場あるいは個人のデスクワークを効率化し、労働生産性を高められれば、労働時間の大幅な短縮につながるだろう。

デスクワークの定型業務によく使われているツールがExcelだ。日本企業の99%が導入し、非常に使いやすく便利なツールではあるが、「集計業務では非効率」や「データの一元管理が難しい」など、業務効率や生産性の面で課題も多い。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響による急速なテレワーク推進に伴って、在宅予定管理や業務進捗管理など、Excelを使った管理業務が増えているのだ。

そこで業務効率化のカギとなるのが、Excel作業の「業務アプリ化」である。現場のExcelによる定型業務を効率化できれば、労働生産性が大きく改善できる。

Excel作業の業務アプリ化

Excelでの定型業務をアプリ化する一例として、各店舗での売上実績を日時で本社に報告するケースがある。本社が作成したExcelフォーマットを店舗にメールで送付、店舗で販売実績を入力して送り返す。こうして集めたファイルを本社で1つのExcelファイルにまとめて集計している。

「売上の管理では、『入力に間違いがないかをチェックする』『入力ミスがあれば、修正を依頼する』『販売実績未提出の店舗を管理し、入力を依頼する』『販売実績集計のために、別のファイルに数値をコピーする』などの作業が発生しています。これらの業務を業務アプリで自動化すれば、業務効率化は進むでしょう」(SCSK 流通・メディアシステム事業部門 流通・メディア第四事業本部 データサービス部 副部長 岡田 一志)

業務アプリ化すれば、「入力ミスは、その場でチェック」「未提出店舗には、自動でメール送付」「リアルタイムでデータを集計し、報告書類を生成」などが可能になる。あまり複雑ではない集計・報告業務をアプリ化するだけでも、大幅な効率化を実現できるのだ。

Excel作業の業務アプリ化をもっと容易に進められるよう、簡単にアプリがつくれるクラウドサービス「CELF(セルフ)」では、100個以上のExcelテンプレートの無償提供を開始した。さまざまな企業で使えるように、人事・労務、調達・購買、経理・財務、法務・総務、情報システム、経営管理など、6つの業務別に100個以上のテンプレートが用意されている。会社ごとに必要な項目を追加、削除すれば、すぐにExcel業務で利用できる。

「CELFのトライアルユーザーからは、『業務改善はしたいけど、そのための時間が取れない』という声をよく聞きます。CELFを使えば、簡単に業務アプリを作れる。でも、いくら簡単とはいえ、忙しい現場ではその『作る時間が取れない』というのです」(岡田)

さらに、このExcelテンプレートをCELFに読み込ませると、自動で「業務アプリ化」ができるというのだ。テンプレートを自分たち用にカスタマイズして取り込めば、すぐに業務アプリとして活用できる。また、すでに利用しているExcelをCELFで業務アプリ化することもできるので、時間が取れないという課題も解消できるのだ。

「バックオフィス部門の管理業務はどの会社もある程度似ているので、汎用的なテンプレートから自社用へのカスタマイズが容易です。また、どのようなExcel作業を業務アプリ化ができるのかをイメージしてもらうためにも、テンプレートの提供が重要だと考えたのです。いわゆる『ノーコード開発・ローコード開発』です」(SCSK 流通・メディアシステム事業部門 流通・メディア第四事業本部 データサービス部 CELF・Curlプロダクト課 岡本 奈緒)

業務で使えるExcelテンプレートの作成にあたっては、世の中にある多くのテンプレートを調査・分析したという。

「テンプレートを提供するだけでは不十分だと考えました。もっと具体的に『テンプレートを業務アプリ化したときに、どのようなメリットがあるのか』『どのようなシーンで利用できるのか』などを明確にするために、業務効率化のヒントやカスタマイズの手順書などをCELFのWebサイトに用意することにしたのです」(岡本)

複雑な業務は、すでに現場で作りこんでいるケースが多いため、テンプレートとしては提供されていない。しかし、複雑な業務もCELFでカスタマイズし、さらに業務を効率化するための手順書まで用意しているのだ。また、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で急速なテレワーク化が進んでいる。そこで、テレワークに対応した勤怠管理や日報、在席管理などのテンプレートも用意される。

今後は、業界特化型のテンプレートも提供予定だという。チェーン店系の外食業の例で言えば、全社で利用する食材廃棄のための集計テンプレートなどだ。外食業では、食材仕入れの最適化を図るため、本社が廃棄食材の種類や量などを集計している。業界特化型のテンプレートを使えば、全社共通の集計業務の効率化も可能になるわけだ。

身近な業務改善が、DXへとつながる

Excelテンプレートを活用して業務アプリを作ることで、得られるメリットは業務改善だけではない。

「Excelテンプレートを利用して業務アプリ化を経験することで、自分たちでもIT化による業務改善を進められるという自信を持てるようになります。その自信は、他の業務でもやってみよう、そのために作り方やカスタマイズの方法を学ぼう、というアクションにつながる。それこそが、Excelテンプレートを用意した狙いの一つです」(岡本)

Excel作業の業務アプリ化だけでは、業務効率化できる範囲は限られており、メリットはあくまでも限定的だ。ただ、ユーザーが自らアクションすることで、気づきと自信が得られる。自信が付けば、自然と「より高度な機能を作ろう」「そのために勉強しよう」という姿勢や学びにつながる。結果、全社共通の集計業務や部門個別の中核業務といった、より高度な業務アプリを作れるようになり、業務効率化が加速するのだ。

「昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化やビジネス創造が叫ばれています。その第一歩は、ビジネスのデジタル化が必要であると認識し、IT化に踏み出すことではないでしょうか」(岡田)

Excel作業を業務アプリ化するだけで、情報はデータベースに一元化される。これは、データを探す手間や情報をマージする作業などが効率化されるだけでなく、経営者がリアルタイムで実績状況を把握ができるようになり、迅速な意思決定につながる。

DXの第一歩であり、働き方改革の本丸ともいえるデスクワークの定型業務の効率化、そのカギはExcel作業の「業務アプリ」化である。無償で使えるExcelテンプレートの活用から、その第一歩を踏み出してはいかがだろうか。