オムニチャネル対応のコンタクトセンターはどうつくる
コミュニケーションツールの多様化によって急がれるコンタクトセンターのマルチチャネル化。コンシューマーの利便性を高めるためチャネルを増設したり、AIを活用したりする企業も増えているが、それによって新たな課題も生じている。オムニチャネル対応したコンタクトセンターを実現するために重要なポイントとは何か?

コンシューマーの変化にコンタクトセンターが追いついていない

電話にメール、Webサイト、「LINE」をはじめとするSNS──。ツールの進歩によって人々がコミュニケーションを取るための手段は増えている。だが、コンシューマーとして企業にコンタクトする際の手段はどうだろうか。

近年、コンタクトセンターのマルチチャネル化の重要性が説かれているが、実際にマルチチャネル対応している企業はそれほど多くないのが実情である。コンシューマーの変化にコンタクトセンターが追いつけていないのだ。

「若年層ではスマートフォンでのSNS利用が急速に伸びていて、電話ばなれが進んでいます。自分が使いやすいチャネルから問い合わせて、状況に応じてチャネルを切り替える顧客が増えてきました。コンタクトセンターがそれに対応できないとクレームにつながる恐れがあります。その一方で、年齢が高くなるにつれて、依然として電話を利用する割合が高くなっています。また、込み入った相談をする場合などには電話を利用することが多く、今後、利用するツールが変化しても、最終手段として電話がなくなることはないでしょう」。SCSK 全社営業統括部門 戦略ソリューション営業統括本部 ソリューション営業統括部長の菅野一夫はこう話す。

最近では、企業が提供する商品やサービスの細分化が進んだことで、顧客からの問い合わせ内容が複雑化している。オペレーターにも様々なチャネルの業務に精通し、複雑な問い合わせに対応できる能力が求められ、その業務内容も拡大している。しかし、慢性的な人手不足にあるコンタクトセンター業界においては、そのような高度な対応力をもつ人材を確保するのは容易なことではない。

SCSK 全社営業統括部門 戦略ソリューション営業統括本部 ソリューション営業統括部長 菅野一夫。長年にわたりコンタクトセンター関連ビジネスに従事。コンタクトセンター関連ソリューションから運営業務にまで幅広く精通している。

ツールやテクノロジーの利点を生かせないという新たな課題

このような状況に対応するために企業が取り得る施策の1つとして、新たなITツールの導入が挙げられる。例えばAI(人工知能)を活用したチャットボットだ。チャットボットを導入すれば、オペレーターを介さずにWEBサイトからの問い合わせに自動で回答させることができる。さらに、コンタクトセンターへの入電数の削減にもつながる。また、音声認識とAIを連携したソリューションを導入すれば、回答に必要な情報をオペレーターにリアルタイムで提供することができ、オペレーターに経験や知識の差があったとしても対応品質やスピードを一定に保つことが可能となる。オペレーターの人数の削減や新人オペレーターの教育期間の短縮などの効果も見込める。

だが、こうしたツールやテクノロジーを導入すると新たな課題に直面する。既存のコンタクトセンターシステムでは、チャネルごとにシステム基盤が分かれているため、チャネル間の連携が取れない。そのため、マルチチャネル化しても顧客に利便性を十分に提供できないのだ。

例えば、チャットを使ってコンタクトしてきた顧客がチャネルを電話に切り替えた場合、チャネル間の連携が取れていれば、電話を受けたオペレーターがそれまでのコミュニケーションの内容を把握できる。だが、連携が取れていないとコミュニケーションの経緯の把握に時間がかかり、顧客の不満につながる恐れがある。つまり、チャネル連携ができなければ、新たなツールやテクノロジーを導入してもそのメリットを十分に生かしきれないのだ。そして、チャネルのシームレスな連携で要となるのが、コンタクトセンターのシステム基盤である。

コンタクトセンターがビジネスの成功の鍵を握る

今後、新しい技術やツールを導入し、オムニチャネルに対応したコンタクトセンターを実現するためには、システム基盤に拡張性を持たせ、チャネル間で連携が取れるようにすることが重要なポイントとなる。

それを可能にするソリューションの1つが、SCSKのコンタクトセンター向けクラウドサービス「PrimeTiaas(プライムティアーズ)」だ。同サービスは高い拡張性を備え、オムニチャネルを実現することができる。

「PrimeTiaasは複数のチャネルを統合してハンドリングできる数少ないコンタクトセンターシステムの1つです。コンシューマーの利用率が高いLINEと連携できる点も強みになっています」と菅野は説明する。

PrimeTiaasはAVAYAの音声基盤をベースにSCSKのノウハウを組み合わせたコンタクトセンター向けクラウドサービス。SCSKは日本アバイアの国内唯一のクラウドサービスプロバイダーとして、拡張性が高い、オムニチャネル対応サービスを提供している。

今後、ECなどの利用がさらに増加し、コンタクトセンターの役割はより高まる。コンタクトセンターの顧客対応力が、商品やサービスの売り上げを左右するようにもなるだろう。コンタクトセンターは従来から言われているような“コストセンター”ではなく、利益に直結する“プロフィットセンター”になるのだ。

また、コンタクトセンターに届いた「VOC(Voice of Customer:顧客の声)」を音声認識やAIを用いてテキスト化し、分析を行ってマーケティングに活用する企業も増えていく。

「将来的には、お客様が企業へコンタクトする際の窓口はすべてコンタクトセンターになると考えています。電話やメールを使ったコンタクトの数が減り、チャットの数が増えるなどといった動きはあるとしても、コンタクトセンターは企業とお客様を結ぶ接点として最も重要な役割を果たすようになるはずです。また、AIを導入することでオペレーターの業務を減らすことができるため、それまで100人必要だったオペレーターの数を50人に減らし、しかもサービス品質を落とさずに運用できるようになるといったことも考えられます。複数のチャネル連携を可能とし、AIをうまく使いこなせるようになれば、長年の課題であるコンタクトセンターの人手不足の解消にもつながるのです」(菅野)

企業において、ますますその重要性が増すコンタクトセンター。それをうまく活用できるか否かが、今後のビジネスに大きな影響を与えると言っても過言ではない。AIの導入やマルチチャネル化の推進を支えるコンタクトセンターシステム基盤はどうあるべきか、いま一度考えてみてはどうだろうか。

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